300字小説「一夜酒」

 酒は通常、冬に仕込まれる。米が獲れてからでないと、酒は造れない。それに、夏場は暑さで腐れてしまう。
「あーあ。早く冬が来ねぇかな」
 貞任は、一夜酒を舐めながらぼやいた。一夜酒は粥と麹を混ぜて、その名の通り一晩で仕込む。
 酒といっても酔えるわけではない。一夜酒はほんのりと甘く、貞任のお気に入りなのだ。
「まっ昼間から、酒か」
 顔をしかめる経清に、貞任は一夜酒だと口を尖らせた。なんだ、どぶろくじゃないのかと、経清は表情を和らげた。
 貞任は一夜酒をかわらけに注ぎ、経清に渡した。経清は、甘いなとつぶやく。
 やはり普通の酒のほうがいい。陸奥の冬は厳しいけれど、酒を飲む楽しみがある。
 貞任は冬の訪れを、心から待ちわびた。

第37回Twitter300字SS企画参加作品。お題「酒」
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第三回文学フリマ福岡に参加します

2017年10月8日に、福岡・天神ビル11Fで開催される、第三回文学フリマ福岡に直接参加いたします。
【う-27】サークル・時代少年です。

奥州藤原氏・安倍氏について創作しています。
二代・藤原基衡の妻の生涯を描いた少女小説「わだつみの姫」や、前九年合戦を描いた歴史ファンタジー小説「みちのくの君」1〜3巻(全5巻予定)、奥州藤原氏紹介漫画「楽土」を頒布いたします。
お品書きです。



詳しくはWebカタログをご覧ください。
Webカタログにサンプルを掲載しております。


通販をご希望の方は、とらのあなをご利用ください。リンクから直接移動できます。

テーマ : 歴史小説 - ジャンル : 小説・文学

第二回文学フリマ岩手御礼

6月11日に、岩手県盛岡市で開催された、「第二回文学フリマ岩手」に参加しました。
奥州藤原氏創作をやっている私にとって、岩手は聖地です。年に数回は行っています。というか、ついこの間、4月に平泉に行ったばかり。桜を見るためだけに、福岡から平泉へ日帰り参加する私なのです。
実は、第一回もサークル参加申し込みをしていたのですが、台風のため断念。今回こそは参加するんだと誓い、せっせと本を作ってきました。安倍貞任主役・前九年合戦小説「みちのくの君」も3巻まで出しました。全5巻予定です。面白いです、多分。後悔はさせない(つもり)。

6月10日の福岡は、晴れ。これなら飛行機は飛ぶぞと、いそいそと福岡空港に向かいます。朝っぱらから「一蘭」をキメ、テンションが上がる私。
そう、「悪天候のため、条件付き運航」の表示を見るまでは。

飛行機、揺れました。揺れている最中、「エチケット袋をご利用ください」というアナウンスを聞きました。
そんな中、無事に花巻空港に到着!なんだかんだで定時到着なのがすごい。

バスで盛岡に移動し、ホテルに荷物を置いて、遺跡の学び館に歩いて行きます。ここは、盛岡市内の遺跡に関するミュージアム。
展示物を眺め、ずっと欲しかった完売済みの図録をコピーしていただいて、ホクホクな私。
父の日が近いんで、駅ビルで「あさ開」を買って、実家に送りました。たいそう喜ばれました。毎年恒例のネクタイより、お酒がいいのか……w

夜は、地元にお住まいの雪原さんと飲み会です。地元の方と一緒になると、「あなたに頼ります!」オーラ全開になるw
岩手のお酒は美味しいです。雪原さんもお優しくて上品な方です。お付き合いいただき、ありがとうございました。

文フリ岩手当日は早起きして、盛岡市内散策を楽しみます。源頼義が前九年合戦の戦勝祈願のために、石清水八幡宮を勧請したといわれています。そこからてくてくと石割桜→盛岡城址公園へ。実は私は「壬生義士伝」の大ファンで、原作・ドラマ版・映画版を制覇。

たっぷりと散策を楽しんだ後に、産業会館に入ります。



スペースはこんな感じに。雪原さんに売り子さんをお願いしました。
「時代少年」のスペースにお越しくださった皆様、ありがとうございます! 前回不参加になったことを覚えてくださってありがとうございます。涙しました……。
お菓子、ありがとうございます。観光情報ありがとうございます。
あと、なんとなんと、参加者様のなかに、鹿児島県人がいたー!!
まさか、「故郷の訛り懐かし文フリ岩手」になるとは思いませんでしたー!! 鹿児島弁を披露したのは私なんですがw
イベント中は頭働いてなくて、変なことを口走ってすみません。

第三回の文フリ岩手開催・アンソロジー第二弾も発表。さっそく本部に「アンソロ、参加します」とお伝えしました。挙動不審だったのは忘れてください。

いろんな方とお話しして、イベント終了後は雪原さんとお茶して、懇親会へ。イベント後の懇親会は初参加です。
飲み放題というので、たくさん飲みました。たくさんの方とおしゃべりしました。知的で気品に満ちあふれる並木さんにグルジア旅行のことを伺ったり、リバティプリントの良さについて語ったり、三谷さんの美貌にドキドキしたりしていました。(心なしか、北九州弁丸出しでしゃべりまくる私に、男性陣の顔がひきつっていたような気がしました。これが普通の九州女と思われたらイヤン)。

次の日も、元気に安倍館遺跡周辺を散策していました。
盛岡駅でお土産を大量に買い込んで、ボヘーッと盛岡駅のバス停でバスを待つ私に、真雉屋さんが「花巻空港まで送りますよ」とお声をかけてくださったので、お言葉に甘えました。真雉屋さんからゲットした奥州藤原氏ネタを創作に生かします。

飛行機の中で爆睡し、福岡へ。お土産いっぱいでパンパンのスーツケースを引きずって帰りました。

来年に開催予定の、第三回文学フリマ岩手にも、参加します。そのときは、みちのくの君を完結させて、懇親会ではさらに飲んだくれている予感がします。飲んだくれてても引かないでくださいねw

次回のイベント参加は、文学フリマ福岡です。その次は文学フリマ東京。たぶん、京都も参加します。京都で4巻、岩手で5巻かなといったところ。4巻の前に、河内源氏アンソロジーに参加します。源義家の漫画を描きます。盛岡の観光案内ページも書きます。こちらもヨロシク♪

春の藤原まつり2016レポ

 岩手県平泉町では、毎年春と秋の二回、藤原まつりが開催されます。その名の通り、奥州藤原氏に関する祭り。春(5月1日~5日)は盛大に行われ、全国各地から観光客が訪れます。
 中尊寺や毛越寺で奥州藤原四代(清衡・基衡・秀衡・泰衡)の追善供養がなされたり、稚児行列・郷土芸能が披露されます。平泉駅前では、武蔵坊弁慶にちなんで、巨大な餅を抱えて運ぶ距離を競う「弁慶力餅競技大会」もあったりします。
 特に人気なのは、3日に行われる源義経公東下り行列。兄の源頼朝に追われて平泉にたどり着いた義経を、藤原清衡が迎える様子を再現したものです。義経役や秀衡役、北の方役(女性)が平安装束に身を包み、馬や牛車に揺られ、武者や山伏に扮した人々とともに毛越寺から中尊寺まで行列します。第一回は昭和三十年に開催!
 毎年、義経役には、若手俳優が選ばれます。村上弘明、坂上忍(昔はさわやか俳優さんだったのです……!)、稲垣吾郎、藤原竜也、妻夫木聡といった方々のお名前が。
 なかでも、タッキーこと、滝沢秀明さんの年は、大河ドラマ「義経」の放映年。過去最高25万人のひとが平泉を訪れたという、伝説の年です。タクシーの運転手さんも「あのときはすごかった……」としみじみ語られるほど。
 奥州藤原氏創作を始めたことだし、これは見に行かねばと、意気揚々と平泉を訪れました。とはいっても、私は福岡住まい。5月1~2日は仕事ゆえ、平泉には行けません。しかし3日の義経公東下り行列は見たい。ということで、2日の最終便で仙台に飛び、夜遅くに岩手県・一関市に到着しました。東北だからさぞ寒いだろうと思ったのですが、ゴールデンウィークともなるとあまり差は感じません。
「25万……。ああ、JRは混んでいるだろうなあ。乗れるかなあ」とヒヤヒヤしながら、一ノ関駅から列車に乗ると、余裕で座れるほど。岩手県は車社会です。JRよりも車で藤原まつりを見に来る方が多い。実際、渋滞が激しい、らしい。JRは1時間に1本ですが、確実に座れるのでおすすめです。
 平泉駅から徒歩で15分ほどのところに、毛越寺があります。そのお隣には、藤原基衡の妻が建立した、観自在王院跡があります。今は建物がなく、池と小さなお堂、基衡の妻の墓が残るのみ。観自在王院跡の広場は藤原まつりのイベント会場に利用され、屋台が並び、とても賑わいでいます。屋台で横手そばを食べ、ジェラートを舐め、祭りを満喫。
 午前11時頃になると、行列が中尊寺から毛越寺にやってきます。この行列には義経公や秀衡公はいませんが、馬がのんびりと道路を練り歩き、眺めるのもまた楽し。
 お昼になったので、毛越寺の中に入ります。すでにたくさんの方が場所取りをしているので、私は人の少なそうな大泉が池の向こうに回りました。私は人混みが大の苦手なのですが、ここなら遠目にも義経公や秀衡公、北の方の姿を眺められるのです。
 そうすぐに義経公たちが姿を現さないので、お隣の方とのんびりおしゃべり。
「今年の義経公はファブリーズのCMに出ていらっしゃるそうですよ」
「ほうほう」
 などと、会話が弾みます。私が福岡から来たというと、びっくりされます。さらに出身地が鹿児島だというと、さらにびっくりされます。そう、私はここでは貴重な九州人。もしかすると、この大勢の観光客で福岡から来た人間は私だけかも……? と思いきや、意外なところにいらっしゃいました。
 二〇一六年の義経役は、俳優の高杉真宙さん。なんと福岡県出身らしく、勝手に不思議な縁を感じてしまう私。義経公・秀衡公・北の方の三人は、毛越寺の大泉が池を、ゆっくりと金ピカの小舟(龍頭鷁首【りゅうとうげきしゅ】といって、平安時代の絵巻物でよく出てくる豪華な舟)で回ります。



 舟が近づくと、私たちは黄色い歓声を上げました。藤原まつりまで高杉さんのことを知らなかったというのに(高杉さんの名誉のために言っておきますが、私は普段テレビを見ないのです)、可愛らしい方ですっかりファンに! にこやかに手を振る姿は本当に愛らしい!
 そして北の方を務める女性もとても可愛いのです。北の方は岩手出身の若い女性が選ばれるよう。ちなみに北の方とは、義経の正妻で、河越重頼の娘・郷御前(さとごぜん)。源頼朝の命で義経に嫁ぎ、奥州への逃避行にもついていき、最期をともにしました。平泉にもお墓があります。あの有名な静御前じゃありません。
 池をぐるっと回ったあと、一行は馬や牛車で平泉町内を回り、中尊寺へ向かいます。義経公は馬上笑顔でお手振り。
 私は一行から離れ、中尊寺へ近道を行きました。別に私が予定していたわけではなく、人の流れについて行ったというだけなのですが、人混みが苦手な私はこちらのほうが良かったようです。
 ちょうど行列の先端と一緒に、中尊寺の月見坂をのぼりました。月見坂は馬にはきついようで、行列は休み休み。馬ですので、当たり前ですが生き物。途中で糞もしちゃう。普段、創作で馬を自転車かバイクのように書いていた私は「馬は生き物なのだから、大事に書かねば」と、のんびり進む馬を眺めながら思ったのでした。あと、山伏役の方の下駄がえらい高くて難儀そうで、思わず「大変ですねえ」と声をかけました。山伏役のおじさんは汗を拭いてにっこり笑ってくださる。なかなかこういう「行列と密着型のまつり」を見たことがないので、ちょっぴり感激。
 一行が目指すは、中尊寺金色堂。義経公役の高杉さんには非常に申し訳ないですが、金色堂の中には私の愛する奥州藤原四代が眠っています。ついつい義経公たちのことを忘れて金色堂に近寄る私。
 すると、受付の方が「早く入って」と声をかけてくださるのです。いいのかなあと金色堂に向かうと、振り向けばなんと、義経公たちが奉拝している!そして聞こえる読経の声。私、金色堂から義経公たちを見ちゃってるよー!!
 そして、金色堂の中は人少なで、「私、一年の中で最も中尊寺に人が集まる日に、こんなにゆっくりと金色堂を拝観していいんだろうか……」と、四代が眠る棺に手を合わせながら思ったのでした。
 たっぷりと金色堂に浸ったあと、私は夢見心地で中尊寺を出ました。「そうだ、中尊寺蓮を見ておかねば!」と思い立ち、中尊寺裏手の大池跡に急ぎます。中尊寺蓮とは、泰衡公の首桶に供えられてあった古代蓮の種から咲いた花。現在、全国どころか海外に株分けされ、花開いているのです。五月の時期に咲いているわけはなく、枯れているであろう。だが、たとえ枯れていても見たいのが、奥州藤原氏ファン。
 中尊寺蓮はもちろん枯れていたのですが、それでも、「ああ、夏にはきっと美しく咲くのだなあ。私は見ることはできないだろうが……」と寂しく思ったのでした。余談ながら、私はこの三ヶ月後に再び平泉を訪れ、花開いた中尊寺蓮を見ることができたのでありました。

テキレボ5 & 文学フリマ金沢御礼

こんにちは。
桜が散り、若葉が芽吹く季節になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。



4月1日に浅草で開催されたテキレボ5と、4月16日に開催された文学フリマ金沢に、委託参加いたしました。



地方住まい・宿泊を伴うイベント参加が難しい私にとって、委託参加できる即売会はありがたいです。

テキレボには第3回から委託参加させていただいています。毎回、たくさんの方(当サークル比です)にお手に取っていただけまして、本当に嬉しいです。



今回はてきれぼ300字企画に参加しました。300字で意味のわかる文章を書くのは難しいですが、楽しかったです。また、主催さんのお心遣いが素晴らしかったです。

テキレボではお買い物代行というシステムがありまして、手数料・送料を負担すれば、イベントで頒布される作品を購入できます。
今回、有償・無償含め、70作品以上を注文しました。大切に読ませていただきます。


2週間後には、文学フリマ金沢が開催されました。



文フリ金沢には初めて委託参加させていただきました。拙作をお手に取っていただいた方々、本当にありがとうございます。



委託品には桜の花びらのマスキングロールステッカーを貼っています。


次回イベント参加は、6月11日に岩手県盛岡市で開催される、文学フリマ岩手となります。岩手は奥州藤原氏や安倍貞任を愛する私にとって聖地ですので、とても楽しみにしています。
イ-01でお待ちしています!



文学フリマ岩手では、新刊「みちのくの君 前九年合戦〜安倍貞任〜」3巻を頒布予定です。
詳しくはWebカタログをご覧ください。試し読みもできます。



これからの「時代少年」イベント参加予定です。

6月11日 文学フリマ岩手
10月8日 文学フリマ福岡
11月23日 文学フリマ東京

全て直参です。
イベント委託参加については、しばらくお休みしようと考えています。原稿に集中するためです。
もしも上記イベントに参加できず、当サークルの発行物に興味のある方は、通販をご利用ください。
とらのあなさんに委託しております。

とらのあな

ご利用、お待ちしています♪